―温室→ ―
[幼い頃より家畜を追って荒野を駆け、獣を狩っていた男は、気配には人よりも、ずっと敏い。
後を誰かが付いてきている事には気付いていたが>>264、だからといって別段気にも留めなかった。
用が有るなら声を掛ける事くらい出来るだろうし、そうでなければ興味があるだけだろうから見たいだけ見たら良い、見られて困る事など何一つないのだから、無防備な程に堂々としたものだった]
[ヴェスパタインと幾らか話をした後、引き返した先に見つけた人影>>267、一瞬驚いた顔をした後に、愛想の良い笑みを浮かべて、其処で待つ彼に片手を上げて挨拶を]
やぁ、未だ居たのかい。
…もしかしてヴェスパタインに用だったかな?
だとしたらすまない、随分と邪魔をしてしまったね。…ン?
[一瞬、彼の零した言葉の意図を理解し兼ねて、首を捻る。
しかしすぐに、温室の主に貸し出した為に今は解けた髪を指しているのだと気付けば、あぁ、と納得したような感嘆を零して]
(428) 2014/01/31(Fri) 03時半頃