─ 回想:岩動 呉って奴は。 ─
[半年くらい、ふざけたり、騒いだりして。
多分、誰からも"仲良いよね"って言われるような、そんな友達。
高校1年生の終わりくらいまで、岩動 呉は男子の中心グループの、そのまた中心くらいに、いたと思う。
それはそれで、楽しかった。退屈しなくて。
でもさ、そういうのって、簡単な切欠で崩れるもんなんだよ、。]
『るぎってさ、なんでそんな勉強してんの?』
[たったひとつ、簡単な質問だった。
たぶんさ、ソイツは、医者になるからとか、未来の返事を求めてたんだと思う。
それは、何となく分かってたんだけど。岩動 呉は、結構正直なせーかく、してたもんだから。]
弟を見下すため、だなあ。
[って、当然の口調で言ってしまった。にぃっこり、愉しそうに、笑って。
ぴきって、そいつの顔が固まる音がしたような気がして、実際、空気は凍っていた。でも、越のことを話し出すと、口は止まらない。]
(428) 2015/10/31(Sat) 17時半頃