──キルロイの部屋前──
[ 五月雨と共にキルロイの部屋に到着した>>383。]
っぷ…………。
[ 異臭が増し、危うく吐きかけた。意地で持ちそうにない。薬を届けたら離れよう。
そう思った矢先。
悲鳴のようなものがあがる。しかし、悲鳴というよりはこれはまるで。
踏み込むのを躊躇する。五月雨がドアを叩く>>402と、慌ただしく動く気配があった。
出てきたのは、四井。ぎょろぎょろと目を動かし、観察する。見た目は平静と変わらない。中をうかがわせないようにするのは、きっと容体の優れないキルロイを気遣ってのことだ。
そう納得したかった。異臭に混じるこの臭いは間違いなく精液。ふらりと誘われるように入っていく五月雨と、弁明する四井の向こうにキルロイが見える。顔を見た途端、足元から何かがかけ上ってくる。それは亀吉を脅かす。
室内で何が起きていたのかは理解した。症状を鑑みれば、二人を責める気になどなれない。
しかし、亀吉にはこれ以上ここにいることはできない。
ガシャン。
薙刀をその場に取り落とし、走り去った。]
(426) 2016/06/09(Thu) 02時頃