[ それから――、 ダンの奥様に手向ける花を手に彼の家を尋ねるようになった。ダンが居ない日はサイラスが扉を開けて、薬を手に出迎えてくれる。時折、彼の隣には可憐な少女が佇むようになって。次第に村の中で彼らが手をつないで歩く姿を見れば、微笑ましく思うようになった。ダンが長く家を空ける時には、たまに夕食に迎えて母と作った料理を彼に振る舞ったりすることもあった。 だから、] 聞いて、サイラス。 私、文字を教えてもらうことになったの。[文字の『先生』を見つけた時に、母の次に告げたのはサイラスだったのは、記憶にも新しい話――。*]
(423) 2015/05/11(Mon) 00時頃