─物見小屋─
[タルトタタンを作ると言っていた子がいたか
本を読みに行くと言っていた子がいたか
風に当たりがてら、物見小屋から外の世界を見るのが男の日常だったりする。自分が今まで住んでいたところとは対極にあるようなその世界。少女は外の世界でどういう風に生きていくのか、そんなことを考えながらそこからの風景を眺める。]
[鳥の鳴き声が近くで聞こえる。
空にはひとつと半分の月。
秋もだいぶ深まったようで、広葉樹は紅く色づいて。]
こんな景色を見たら、コリンはまた飛びたい!と
ユージンにしがみつきそうだな。
[とひとりその時のことを思い出して笑っていたら
近くの鳥の鳴き声が変わらず鳴き続けるもんだから
とうとう当たりを見渡して、
見つけたのは翼が変な風に曲がって身体をばたつかせている山雀。]
……おやおや。
[さて、少し離れたところにいるその怪我人をどうしようか**]
(420) 2015/10/07(Wed) 08時半頃