[ふと、思い出話みたいに語られるのは>>399彼女が俺を恐れた理由。
変身を解いたところを見られたことに驚きはあったけれども、それでもこうして話に来てくれることの方がよっぽど嬉しい。
……そして、ワンちゃんではなく、れっきとした狼として見てもらえることにも。]
……なんだ、ちょっと恥ずかしいな。
いつでも、エリが乗りたいなら背中に乗ったっていい。
メルヤみたいに空を飛べたりはしねえけど、風みたいに速く走れるからな。
[ずっと怖がって背に隠れてしまっていた少女が、いつの間にかこんなに大きくなって、こんなにも、近くにいてくれる。
くん、と鼻を鳴らして尻尾を振って。
近付いたらまだ怖いかもしれないから、これが俺の出来る最上の愛情表現。
少女がまた大きくなる、熟れた香りに近付いていく。
それが本当に、嬉しくてたまらなかったんだ。]*
(413) 2016/10/10(Mon) 23時頃