[変態、と罵られて、何故か笑気が込み上げる。
化け物だとか魔物だとか屍鬼だとか、そういった類の罵声には慣れていたが]
随分とまた、人間臭い物言いだ…
[その称号が酷く新鮮で(ラルフ辺りに言われていたかもしれないが、面と向かって言われた事は無い筈だ)喜色を滲ませ、その白い背中へ逆十字を浮き上がらせていく。
差し出した舌が、爛れるように熱く感じる濡れた舌を擽る合間、それを咎めるように噛み締められれば、ずきりとした鋭い痛みが背筋へと伝い、瞼が薄く震え――
全身へと甘く這う痛みの余韻が、男の躯へ喜悦を運ぶ。
もっと、噛んで欲しい――
冷えた肌が上気し、腰へと落ちる甘い疼きが、燻る欲を駆り立てる]
――…っと、……いけない 、
[快感に浸っている場合ではなかった。
口端から止め処なく唾液と血を零しながら、背中の逆十字の痕を辿るように舐め立てていき]
(410) 2014/02/02(Sun) 03時半頃