ああ……見てるだけが物足りない気持ちも、よく分かりますよ。
愉しいことは、皆で仲良く共有したいものですね。
[キルロイの叫びは無視して、リツの答えに優しく頷いた。
服の中に潜り込んだ蛞蝓が、べちょりと音を立てて広がって、千切れて分裂する。
元の大きさに膨らむと、胸の方へと這い出した]
いいですよ。
ではまず、せっかくですしあなたのおにいさんと遊びましょうか。
[しゅるりと、リツの右手を拘束していた触手が解かれる。
ブラシのように細い触手が纏まったそれは、一瞬ぶるりと震えた後中空に留まり、先端をキルロイへと向けた]
今、それの支配権を貴方に与えました。
お好きに遊んで下さいね。
上手く彼を悦ばせられたら、その蟲を取ってあげますよ。
[リツに相応しい遊びとして、あるいはある種の罰として。
彼がどうするか、ただ穏やかな笑みを浮かべて眺めている]
(408) 2016/06/06(Mon) 00時半頃