―深夜・城の外―
[鼻歌交じりの陽気な散歩道、今宵は珍しい連れが共になってくれた。
この先に望む終焉も、訪れる結末も、呆れる様な呑気さで。
彼が足を止めて話し出せば、当たりを見渡す。遮るもののない開けた場所。
火遊びには丁度良いと、満足気に頷き足を止めた
彼が何を想って居るか、知る気はなかった。
これからその手を煩わせる、その気持ちが挫けそうで。
恐らく彼には、何の非も無い、だから、どうか、明日の朝にはすっかり忘れていると良い。
この結末も、俺の事も、彼の頭を悩ませる悩み事の数々も
…そう都合よくいかないことくらい判ってはいるけれど]
良かった、家族だなんて思っていると知れたら、気持ち悪がられるかと、ずっと心配して居たんだ。
[まるで場違いな安堵を一つ、けれど、自分にとっては何よりも大事な事だったから、本当に、心の底から嬉しかった。心のままに、ありがとう、そう告げて幸せそうに微笑む]
(406) 2014/02/04(Tue) 04時半頃