[芽依ちゃんに、勉強教えてって泣きつかれたことを思い出す。
あたしにとっても渡りに船で、ふたりで図書館で勉強した。
勉強の後、ファミレスで晩御飯食べてかない? なんて声を掛けたこともある。
そんな風に時間を過ごしたのに、あたしは芽依ちゃんに、自分からは麻依ちゃんの話ができなかった。
なんて言ったらいいのかわからなかったんだ。
突然芽依ちゃんが、あたしに勉強教えてなんて声を掛けてきた。
その理由が、なんとなくわかるからこそ何も言えなかった。
だけど、今になって思うんだ。それって、本当に正しかった?
麻依ちゃんがいなくなって寂しいって、ふたりで泣いてもよかったんじゃないの?
麻依ちゃんのこと、話せる人がいて嬉しいって言えばよかったんじゃない?
どうしてあたしは、どうしようもなく麻依ちゃんのことを考えながら、芽依ちゃんには麻依ちゃんのことを何も言えなかったんだろう。]
(406) 2018/02/14(Wed) 17時頃