[はたして、他に同じ感覚に触れ得たものはいただろうか。 その疑問は、深化することは止めておこう。 いつ、到来するのかは、まだ、分からない。 けれど、気づくものは気づくはずだ。 目を凝らし、耳を澄ませば、その強大なる存在に。 街に溢れる感染者達が、ただ、一所を目指して歩む。 人も、動物も、違いなく。死の足音を携えて。 まるで、何かに呼応するかのように……『この屋敷』に集いだす。 ……やがて、男は一つの決意を携え、ハンドルを強く握りしめることだろう]―幽霊屋敷・「ヤチグサ車」の中で・了―
(402) 2011/12/04(Sun) 22時頃