え?
あの方、が?
[驚いて、扉の方へと振り向く。いるはずも見えるはずもない彼を姿形を探すように、左手を伸ばした]
牧師様には、大変お世話になりましたの。
あの方こそ、"世界"の神職にふさわしい方だと思いますわ。
……それに比べればわたくしなど、なぜ呼ばれたのでしょう。
[チャールズへの賞賛は誇らしげに、自身のことは吐き捨てるように卑下した。それでも平時よりは言葉控えめになっていることに、自身は気づかない。
トニーへの説明を聞いても、うまく状況を飲み込めぬまま、唇を震わせ]
……わかりません。
けれど知己の方がいること、感謝すべきことなのでしょう。
とても、心細くて。
……あなたは、落ち着いているのですね。
[女性の問いに、おずおずと答える。最後のつぶやきは、感心したように。
そしていくらか話を聞いた後、一礼を残し、チャールズを追いふたたび廊下の奥へと歩き出した。
出会えたならば安堵を露わに、教会の際のように、身を寄せようとするだろう**]
(399) 2011/04/15(Fri) 20時半頃