[オークの死体が転がっている。
斧が掠めた左肩に触れる。>>358血はすでに固まりかけているようだ。
大して深くはなさそうだが、ひりりとした痛みを感じる。
この程度で怪我を追ってしまうあたり、やはり自分はまだ半人前。長らく先頭から離れていた現状を思う。
疲れを癒そうにも、壁は触手で埋まっていて、もたれかかることも出来ないのが厄介だった。
通信機から流れてきた声>>389にようやく気が付き、耳に当てた]
……その声は、影流か。
布袋さんと合流、て……まじか。
[通信機には拾われない程度の小声で独り言ち、はぁとため息をついた。
元はと言えば、一人駆けだした布袋を追ってはぐれたのがきっかけ。いつの間に自分は布袋を追い越したのだろうか。
赤黒い壁に、窓はない。廃ビルに乗り込んでどれほどの時間が経過しただろうか。鼻が曲がりそうな異臭にも、すでに慣れ始めた感すらある。
早くキルロイを救い出して、外の空気を吸いたい**]
(397) 2016/06/06(Mon) 00時頃