[一気飲み。グラスから口を離して、 ぱちん。瞬いたのは一度だけ。
その直後から、声は上げないまま。しかし何とも言えない顔になった。]
…、……
[癖の殆ど無い、しかし水にしては何かがおかしい。…とは
幾ら思考の回らぬ身にも流石に気付くには時間は掛らなかったらしい。
グラスを握った毛布の塊が、傍から見れば不思議に右往左往ともたもた動いた。]
… あつ い。
――…、そ っち のむ。
[長い沈黙の後に、ようやく絞り出した言葉は女性に向けて。
机上に置かれたジュースの入ったグラスを求めれば、それは渡して貰えただろうか。
…ちなみにアルコール分を摂取した事が無い、訳ではない。が。
――何せ口にするモノに注意を払わない。その思考がそもそも欠けている。
…例えば熱いスープでも躊躇わない故に、今までの管理者は積極的に酒類を与える事はしなかった。
従って、度数の高い其れを飲んだ事は未だかつて無く。]
(392) 2011/04/18(Mon) 02時半頃