― 回想・数ヶ月前 大学構内・食堂近く ―
お腹、空いた……
[その時は大分生活に困窮していた。もやしすら買えないほどに。
食べ物が食べられなくても、せめて食べ物の匂いを嗅ごうと食堂に来たのが悪かった。
良い匂いに晒されながらも、何も食べられないのはある種拷問だ。匂いでお腹など膨れるわけもない。
霞を食べて生きていける仙人になりたいと何度願ったか。ふらつきながらも、食堂から脱出しようと試みていた。]
え?
[朦朧とする自分が見たのは綺麗な人>>381。まさか男とも思わず、同類疑惑をかけられたとも知らず。
真っ青な顔で見つめ、ご飯を食べたとの問いには弱弱しく首を振った。]
いや、あの……僕。
[矢継ぎ早な質問に返すだけの気力はもはや無い。
1回生だけど、研究室に行ったらどうなるのか分からないけれども、引っ張られれば、抗う力などない。
この拷問から連れ出してくれるなら、何でも構わないとふらふらとついていった。]
(388) 2013/12/07(Sat) 15時半頃