>>378
[キルロイには、ヤナギが言わんとすることはありありと伝わり、それでも微笑む理由が分からなかった。
自分はいちばんでも足りない位なのに、どうして微笑むことができるのだろう。
胸を焦がされるような思いで、その顔を見守った。]
ヤナギさんは、それでいいの?
[朧に度々聞かれる言葉。
口調まで真似て呟いた。
悲し気に俯けば、追うように頬に手をかけて]
……ほら、やっぱりさみしいんですよ、ね?
俺だって、分かってるけど、さみしくなります。
――良かったら、俺と、…慰め合いっこ、する?
気持ちは埋められるか分からないけど、身体だけでも楽にならなきゃ。……さみしい者同士、ってやつで。
[首を傾けて顔を覗き込み、眉を下げて問いかける。
元々は同情なのかもわからない。しかし健気に震えるその身を支えてやりたいと、庇護欲のようなものが芽生え始めていた。]
(387) tomming 2016/06/23(Thu) 00時頃