―城下・広場―[右腕に昇る蔦状の花糸が、むき出しの切り傷を抉る] ―――…! く っそ……[恐らく亜種であろうキラーローズよりも大分小型なそれは、ユリの花のような異形だった。濃密な甘い香りと煙る花粉それを撒き散らす花糸をぶつ切りに薙いで、その勢いのまま花弁の中心――核に刃を突き立てる] …………ぁ、 は ぁ……――、[渋くそれ、異形の血もまた人と同じく赤い。――血海の中でまだぴくぴくと動く蔦を踏みしめた]
(386) 2010/07/17(Sat) 20時半頃