92 帝都の夏、長い夜


【人】 読書家 ケイト

『被害者の身体には鋭利な刃物で切られたような傷があり』

[記事を目で追っていると、シャーベットの入ったグラスが目の前に置かれた。>>371
一度手を引っ込めたことには気付かぬまま、表情をほころばせると手をつけ始める。

その手が一瞬、止まったのは、店員の男性が奥へと消えたのを見届けたから。>>372

これで彼らは春原の事情を一部、知ることになる。
人と妖の混血である女性が、行方知れずの父(種族は人間)を探している、と。

彼らがどう思おうとも、]

あたしは、あたし。

[そう呟いてみても胸の中のもやもやは消えない。
まるで外の蒸し暑さが入り込んだかのよう]

(382) 2013/08/09(Fri) 23時半頃

← ↓ ■ □

ツール

クリップボード

ピックアップ

>>【】