人狼議事

270 「  」に至る病


【人】 朝茶会 ソウスケ

[元々読書は好きだった。
 此方に移り住んでから故郷のストーリーがこの地の言葉でどんな風に綴られるのか気になって読み始めた。
 大胆な解釈はなく、かといって機械的に単語を置き換えるつまらなさもない。
 文章の癖は限りなく自分好みで、どこか「さびしそう」な雰囲気を感じていた。]

『翻訳家にツテはありますか?
 パイプを繋いで貰えるなら、取材を受けても良いですよ。』

[ひとりになったガラス職人に雑誌の取材が来た時、政治家育ちの手腕で"アオ"(この土地の住民はクチキを上手く発音出来ない者が多い)とのコネクションを結ぶことに成功した。

 国内で絶版となり手に入れるのが難しくなった児童書を手土産に、薄い青色ガラスに桜の花弁を閉じ込めた栞を添えて。

 桜はすぐに散ってしまい、そのままだとすぐ朽ちる。
 こうしてガラスで挟んでやれば、花弁は「死なない」のだという蘊蓄は、その後の押し売りの前口上。
 長生きの為に君の眷属にして欲しい、と直球で告げた。
 直接会った吸血鬼翻訳家は、顔もまさに好みだったから、迷うことなどなかった。]

(381) 2019/10/06(Sun) 23時半頃

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