──秋の記憶──
買い物、助かった。
[何処かに拠点を誂えることはなかった。
でも、代わりに各所をめぐっては暫く滞在して、そしてまた旅に出ていた。
世界は広い。
ぜんぶを見るにはあまりなにも足りない。
だから少しでも多くを見渡せるように歩き続けた。
宿がない時は、焚き木でもしてみようと枝を集めたことも懐かしい。
昔ならば考えられないことでもあるのだけど、傍の温もりがあれば、夜にも照らしてくれたから。
このように家を借りてはふたり暮らしめいたこともした。
たまに賞味期限ギリギリの食材を高値で売られていた時なんかは、笑ってしまったものだけど、その時には果物のここを見ろだとか言って教えてみたり。
でも自分でも分からないことは本屋に出かけようといって漁ったり。
こんなに活動的になったのはおそらく、いや、きっと。]
(380) 24kisouth 2015/10/21(Wed) 02時半頃