[そんな中でノッカに箱舟を見せたのは運び込むものが決まってからだった。
いつの時代のものか分からぬその舟は意外と広く、
多少の荷物ならば余裕で積みこめるものだった。
これは50年前に高塀が強化されてより「掘り」進められてきた脱出路の最中に発見されたものであり、
タイヤもあれば帆も貼れるという水陸両用の乗り物であった。
表面には対下級キングス対策が施されており、
小麦粉噴出装置やら薬剤を撒き散らす装置まで外付けされている。
その様な機体どこから出るのかと言えば、
トンネルが奥へと続いていてーー]
そのうちに機会が来ますから、
逃げるときはそのおりにーー
[悪い子の笑みを浮かべてノッカに見せて、
人差し指を唇に当てて見せた。
そうして脱出の時までは、二人で穏やかに過ごしていた**]
(379) rusyi 2018/12/18(Tue) 07時半頃