─回想:小鳥が眠りについた夜─
[わたしはきっと、みんなの中でもいたずらが好きな方。
何か面白いことを思いついたらすぐに誰かに伝えたし、カリュクスと作戦を立てたりなんかもしたわ。
夜であっても星が綺麗だから。
そんな理由で移住棟を歩くことだってたくさん。
白い石を並べて道を作ったことも、パン屑を置いて帰り道を残したこともたくさんあるの。
でも、鳥さんがおやすみをした日。
わたしはパンも小石も持ち歩かなかった。
誰かに見つかりたくなかったもの。
だから、糸を隠そうとこっそりと忍び込んだの。
でもね、見つかっちゃったみたい>>308
わたし隠れん坊は得意な方だったのに。
まるい声色。
いつも礼拝を欠かさないせんせい。
何かにつかまってしまったように、いつも祈りを捧げているせんせい。
振り返ったわたしは、ヴェスパせんせいに対して困ったように眉を下げたわ]
(378) 2016/10/08(Sat) 16時頃