― 地下の私室 ―
あとは――…、そうだな。
雪が溶けると花が咲く、その花を茶に――…、
[他愛無い話は過去のものと言うより、授業に傾く。
あまり面白味は無いが、チャールズの望んだ外の話ではある。
だが、恐ろしいことに、長話と言うものは種を問わず睡魔を誘う。
抑揚の薄い低音ならば尚のこと。
ベッドに腰掛けたままの相手に睡魔が訪れるのも、そう先の話ではないだろう。
もしも、それが本当に説法の最中であれば、迷わず叩き起こしたが、彼は己の生徒ではなかった。
軽く角のない息を漏らすと掛布を引き寄せ、彼の肩まで掛ける。
一度、肩のカーブを大きな掌で撫でてから、指を別離させ。]
―――…ベッドを取られるのは久しぶりだな。
[しかし、それにも慣れている。
唇の端を上げかけ、暢気すぎると自らを律すると口角に指先を当てて、そっと部屋を出た。*]
(377) 2014/02/02(Sun) 02時頃