―午後・商店街―
[きーみは誰とキスをする。私、それともあの男。
星どころか視界がぐるぐると巡って、純情が胸を満たす。
商店街を疾走しながら、眦がジンジンと痛んだ。
泣いたのなんて何時振りだろうか、
なまじ、見栄っ張りで偉そうなことが格好良い事だと誤解していた青年はもう何年も泣いたことなど無かった。
大概のことなら、中二病を原動力とした妄想の世界に逃げ込めば堪えることが出来た。
だが、先ほど受けた衝撃はそんなレベルではなかった。
エリアスを腐男子にしようと意気込んでは居たが、
既に腐男子どころではなくガチだった。
ガチに孔開く…否、花開いていた。
失恋だ、これは徹底的に失恋だ。
告白する前から振られると言う早漏にしてもどうなんだソレは。的状況の中、北風を切って駆け抜ける青年。
もしも、エリアスが自転車>>269で追いかけて着ていたのなら、暫く疾走したところで気付くかもしれない。]
(375) 2013/12/11(Wed) 19時半頃