【人】 さすらい人 ヤニク

―温室　あるいは　天体観測室―

[黍炉の宿題を解きながら、足はヴェスパタインのいつもいる場所へと向かっていた。

アムネシアを出てから、なんとなく気不味くて顔を合わせるのを避けていたのだが。
王の通達が出て…ヤニクの足元が崩壊しそうな気分に襲われた時
理由は分からないが…彼の顔を見たくなった。

姿を見たなら、はたと　どう声を掛けたら良いかと思いだしたように少し困ったような顔をしていただろう。
そして、唐突に切りだした]

ヴェス…

オレがここ出てく…っつったらどーする？

[……口に出してから、なんだこれはと自分で思った
引きとめて欲しいのか、ヴェスパタインの反応を見たいのか
どちらにせよろくな口上では無い。
多分、何も変わらず見送ってくれるであろう事を…
確認したいだけなのだろう]

(369) nannan 2014/02/11(Tue) 20時半頃