― 回想・いつかの生誕祭 ―
わ、………かわいいー!
[そう言ってヒナコがちょいっと指差したのは、
ミツボシのおうたに合わせてくるくる回るぬいぐるみでした。>>357
うごくぬいぐるみ、といえば、土をお人形さんのかたちにして、
操れるちからを持つ“せんせい”――ヴェラが浮かびます。
手が汚れると本が読みにくくなるから、
普段はあんまり土のお人形さんに触らないヒナコでしたが。
いっしょに踊ってみたくっておずおずと手を差し伸べました。
布越しに土の感触はしたけれど手は汚れません。なんてすばらしいのでしょう!]
ねえ、このふくヴェラせんせいがつくったの? すごいねー!
このリボンもすっごく、かわいいー!
[まだおめかしという言葉も知らないヒナコの心に、
リボンというものが“とくべつなかっこう”として刻み込まれた、
そんな秋の一幕でした*]
(367) 2015/10/10(Sat) 21時頃