ー執務室ー
…どうしました?随分早く戻ってきたようですが。
[しばらく事務方に徹していたところ、部屋の外に控えた気配に気づき、扉を開ける。音もなく忍んでいた、監視に遣わせていた者が戻ってきていた]
なるほど、それで気取られて闇を放たれたと。
…男の方が携えていた剣は、やはり持ち主を自ずから選ぶ点は間違いなさそうというわけか。肝心の力のほどはわかりませんが…真に「王の剣」であるなら、最大限まで力を引き出せば一人で一軍と戦うこともできると聞いています。おそらく本物だとしても、まだろくに使いこなせはしないでしょうが…
それよりも、その共にいたという白い羽の娘が気になります。
羽…6枚ではないですね?4枚ですね?
…それならばいいか。ご苦労。できれば腕ごと切り取って剣を持ってくるぐらいの気概が欲しかったところですが、まあいいです。下がりなさい。
[あまり機嫌良さそうでもない様子で子飼いの部下を下がらせ、王都の城下を眺めた。]
降りてきている…わけではなさそうか。
となると、別の可能性を探るべきか……
そういえば、件の研究所で進められていたのは人造妖精の研究だったな…
(364) 2014/08/14(Thu) 23時半頃