【人】 安全保障局 アラン

[そうして、ずるりと彼の中に潜り込んだ蟲腹は、微かにざらついて、それなのに酷く柔らかい。
淑女のような慎ましい孔を開けば、どぷりと先走りと言えない量の蜜で彼の腹を満たす。

嬌声に煽られる意識は蜂を―――男の欲を獰猛に変え。
禁欲を気取る身の、剥き出しの欲情が彼に襲いかかる。

じゅぶ、と液体を弾けさせる音を聞かせながら、胸部全てを埋め込んで彼を犯す黒き蜂。>>348
屈辱に耐える相手、揺れる背中に、ゾク、と瞳を撓め、微かな息を吐き出し。
ぢゅ、蟲の律動一つで零れる水音。
徐々に放埓な動きと変わるのは、己の心音とかみ合う所為だ。

彼の蕩けた顔は一等美しい。
熱の篭る色を隠さずに、彼の顎を指先で掬いあげた。]

(361) momoten 2014/02/11(Tue) 20時半頃