―回想・集会所にて―
[彼女が僕に聞きたいこと。それはとてもシンプルで難しい問題で。
僕は人間を、同胞と同じくらいに大切だと思っている。友人としても、隣人としても、そして興味の対象としても。
彼女も人間を友人として大切にしているのであろう。
だからこそ、一瞬、言葉に詰まった。>>1:265
しかしそれはほんの僅かな間だけの事。
口元に笑みを浮かべると、彼女の不安を少しでも取り除けるようにと、手を伸ばした。]
ラディスラヴァ。普段通りに接すればいいのさ。
残念な事に一度小さな不安を抱えると、どういう言葉や行動をした所で
噂の真偽が明らかになっていない今、人間側の不安を取り除くのは非常に困難なんだ。
大丈夫だから信じてくれと訴えるよりも、何時も通りに接した方が君の友人の不安も少しは安らぐだろう。
[そう、ゆっくりと伝えれば彼女はどんな表情をしただろうか。
こんな答えしか彼女に渡せない自分に苦笑をしながら、叶う事なら彼女の頭の上に二、三度手を置いたことだろう。]
(361) 2015/05/14(Thu) 15時半頃