―別館の一室―[バーナバスが部屋に入って来たのは、丁度セシルが口を閉じた時だった。屍骸の傍に二人、礼儀正しい距離を保って立っている。仮面を着けた公爵夫人はともかく、入ってきた瞬間のセシルの方は少し緊張した面持ちだった。もっとも、入って来たのがバーナバスと認めた途端に、セシルの全身が別種の緊張に包まれたから、彼にその区別がついたとも思えないが。]
(360) 2011/02/07(Mon) 10時頃