[ネオン街を通りながら、ミサを知らせるポスターが剥がれかけていれば周囲の手を借りて直した。今はくたびれた風情の花たちにも笑顔を向けて挨拶を。司祭館に戻れば餌皿に奉仕品を入れてから自分用に紅茶を淹れた。メールをチェックしたが、探偵から何も言ってこないので、例の孤独死老人の身元はまだわからないのだろう。もっとも、縁者が見つかっても渡せる遺品は腕時計とネクタイピンくらいしかないのだが。野菜屑を小鳥の餌台にやり、庭の花を切ってきて祭壇に飾り、訪ねてきた信徒の話を聞いてアドバイスをし、頃合いを見計らって慈善病院に入院しているブルーノ司祭の見舞いに赴く。etc今日も挨拶を交わした相手は300人を下るまい。]
(357) 2014/01/19(Sun) 23時半頃