卯月![思わず駆け出した。もしも大怪我でもしていたらと気が気じゃなかった。頬に、腿に、腕に、擦り傷をこさえた姿は痛々しいけれどちゃんと彼女は生きていて――] よかっ、た……![ほっとして、たまらず卯月の前にしゃがみこむと、その頭を血塗れていない右手で何度も撫でるだろう。「よかった」と、小さな声でしつこいくらい繰り返して何度も、撫でるだろう。] 約束、守れたな[ふ、と浮かんだのは安堵の微笑みだ。]
(355) 2016/06/08(Wed) 21時頃