― 回想・文化祭準備 ―
[その日も、学校が定めた最終下校時刻ぎりぎりまで、あたしは教室に残っていた。
戸締りは任された! って教室に残っていたあたしは、明日の授業に支障がない程度に教室内が片付いていることや、窓の施錠を確認する。
そうして廊下へと出れば、もう廊下もずいぶん薄暗かった。
並ぶ教室の窓から、明かりが漏れていないせいだ。
どうやら他のクラスはもうみんな帰った後らしい。]
――――あれ。
[人気のない廊下を進むあたしは、だけどひとつの教室からまだ明かりが差していることに気がついた。
そしてその教室は、確か、うちのクラスが借りてる空き教室のはずで。]
おーい。
[明かり、つけっぱなし? それともまだ残ってる?
どっちにしても見過ごすわけにはいかなくて、あたしはひょいとその教室を覗き込む。
果たしてそこに、人はいた。]
黒岩君、もう下校時刻だよ。
(351) 2018/02/11(Sun) 00時半頃