人狼議事

246 とある結社の手記:9


【人】 庭師 ノア

十かそこらの時だったか、奉公先の近くで人狼の噂が立った。
その時は結社なんて出てこなかったが…皆疑心暗鬼になっていたよ。
俺も、この屋敷の誰かが人狼なのかもしれないと思って、夜も眠れなくて。
ある夜、コインを投げることにした。
裏か表か、はっきりわかる何かが欲しかったのかもな。
勿論根拠なんて全くない、ただの気休めのつもりだった。

あの人が狼かどうか。表だったら狼。裏だったら狼じゃない。
そう決めて、毎日一人、奉公先の人の顔を思い浮かべてコインを投げた。

不思議なことにずっと裏が出続けて…何日目だったか、初めて表が出た。
奉公先にいた使用人の一人だった。
それだけの理由で、何となくそいつを避けていたんだが…何日か経ってから、そいつが人狼の疑いで処刑された。

[淡々とそこまで話してから、ふと自嘲するように笑う。]

…こうして話してみると、我ながら信じられないような話だなァ。
まさか今になって、こんな昔話をするとは。

[やっぱ素面で話すようなもんじゃなかったなァ、と決まり悪そうに頭を掻いて。答えになった?と問い掛けるような目をユージンに向けた]

(351) 2018/07/28(Sat) 21時半頃

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