[街の屋台も、あらかた見て、終わり…。空に星が、瞬く頃…。通りかかった、広場で。機嫌よく酔った男たちに、誘われて。気のいい彼らは、すぐにヒナコと、打ち解けた。そのうち、六本の弦を張った楽器を持つ、男が。赤くなった鼻の下で揺れる、髭を。得意げに揺らして。ヒナコに、ちょっと踊ってみろと。伴奏を買って出た。] 大丈夫…。 見ているから…、行っておいで。[恥ずかしがる、ヒナコへ小さく、微笑んで。繋いでいたヒナコの手を、放して、そっと送り出す。]
(350) 2015/10/16(Fri) 22時半頃