─ 回想:【議題:文化祭の出し物について】 ─
[ 普段教室の隅っこに居るような奴が出した提案に、教室の空気は少し変わった。
喫茶店、お化け屋敷、演劇。
その三つへのクラスの反応は顕著で、恐らくはこの中から選ばれるのだろう。
そんな雰囲気が漂っていた時だった。
展示とかつまんなさそ。空気読め。流れ考えろよ、ありえねえ。
ちゃんと聞こえはしないけど、そんなこと。
明確な悪意がある訳ではない言葉を、小声で口々に囁く。 ]
展示っつーのも、悪くねえよなあ。
当日一番遊べるしさ。
[ 黒板の前に立つ“委員長”が肯定の意見をハッキリと口にすると、曇った空気は少し和らぐ。
正当な理由も付け足せば、もっと。
ただの一意見として処理してしまえば、嫌な雰囲気は消え去っていく。
意見を出したクラスメイトも、特に気分を害したように見えない。
表には出さないけれど、安堵した。 ]
(345) 2016/09/13(Tue) 17時半頃