[幻想的な夜の世界で、幼馴染と二人っきり。
美しい風景を愛でる余裕は無く、揺蕩う雪の精の光に照らされる幼馴染の顔。
この痛々しい様な眼差しは、酷く記憶にこびり付く。
今彼が何を想っているか知りたくて、マフラーに手を掛けたのだが。
名前を呼ぶ幼馴染の表情は分からない>>295。
何を想っているのか感情が読み取れず、言葉で確かめようとしても声は出ず。
何より、自分の理性を抑える事が出来そうに無くて、衝動に駆られたまま腕を伸ばし、抱き締めた。
最後の我儘を幼馴染に伝え、締める力を強め、別れを惜しめば。
此方の背中を押して励ますヒューの言葉>>296。
子供をあやす様に優しく温かみがあるその声に、自分の中で何かが吹っ切れた様な、消えた様な気もするが……。
武骨な指に撫でられる箇所はとても温かく、そして切ない。
最後に力を込め、緩めてからヒューを解放すればにこりと笑う。]
そうだね。何とか頑張れそうな気がするよ。
君が信じてくれてるから、大丈夫だね。
[浮かべるのは微笑。
そしてマフラーで口元を覆ってから、促しに従い幼馴染から離れてていく。振り返る事は無く、岩から降りてから一歩、二歩と歩いて。]
(344) 2015/11/25(Wed) 00時半頃