─ レオナルドの家 ─
レオさんもお変わりなく、ですか?
[マーゴが窓を叩けば顔を覗かせたレオナルド>>327に、男はゆるりと頭を下げて挨拶をした。
埃の匂いが微かに香る男性は、父の友人でもあった。
この村では人狼である医師が作る薬、そうして人であるサイラスの父が作る薬の二種類が精製されている。
人の作る薬と、人狼が作る薬の差は、もしかしたら人を研究するレオナルドには興味が惹かれる材料だったかもしれない。
もしくは、ただ普通に意気投合したか。
どちらにせよ、父の友人という存在のせいか、サイラスにとって比較的気安く話しかけられる年上のひと、というのがレオナルドへの認識だった。
マーゴが本を踏んだという言葉>>341には、男はほんの少しだけぎょっとした表情をして。
そうして暫し、二人のやり取りを静聴することに]
(344) 2015/05/10(Sun) 22時頃