[近寄ってきたクシャミは、大人しくお茶を飲んでいる。
彼を部屋へ招いたことなど、今まで一度もなかったような気がしているが、つまりそれが今の二人の距離なのだろう。
昨日のことを「からかい」で収めていればこの距離にはならないはずだから、何らかの警戒はされているのだろう。しておいてお欲しい。
事務的な用件があれば切りだすだろうと思っていたが、一向にそんな様子はなく、二人黙ってただ茶を口に運んで行くだけだ。
焦れたこちらが何か言おうとしたのと同時に、ぽつりと問われた質問。>>338
問われた意味を理解するのに数秒ほどかかったのは、その質問が予想外だったからだった。]
……キスだろ。
それ以外の何だと思ったんだ。
[どうやら意図は、伝わっていないらしい。
コンとわざと音をたてて茶器を机の上に戻してから、昨日と同じようにクシャミの手を握る。]
(343) 2014/01/22(Wed) 09時頃