[顔を拭き終わるとハンカチをガストンに返却する。女に、洗濯して返すという気の利いた発想はなかった]
ええ、それはそれは怒られてたわ。
非難轟々で、良識を疑われてたわね。
[メールをした時に怒られていたのは、酒癖のことだったわけだか、ちゃっかり話を写真にすり替える。
そうしながら、ガストンが注文したお酒にさりげなく視線を走らせた。
ちょっと味見させて。よし、これで三杯目の目処が立った]
写真の私を、偽者だと思ったのよねえ?
[じわじわとミナカタをいたぶるようにガストンに事情を説明する。
ガストンと飲み友達になったのは何がきっかけだったか。
たまたまバーで隣り合わせた時に、一人で飲みにきていて酔っ払った女の方から絡んだのだったか。
大抵そんなことをやらかしても相手にしてもらえず、マスターが間に入って止めるのだが、ガストンは真面目に相手をしてくれた珍しい人間だった]
(343) 2013/12/07(Sat) 12時頃