[ほとんど無我のまま、二、三歩後ずさり。一瞬の間の後、ばっと踵を返して彼から逃げ出した。もしかしたら、なんて。あり得ないことは充分に分かっていたというのに、もしかしたら、とやはり思ってしまって。幼子めいた反応により、無防備に晒された背を自覚して舌打ちしそうな顔になったのは、走り出そうと足に力を込めた後]
(343) 2014/01/26(Sun) 23時半頃