―ある折に―
[ベネットは、遠慮がちにキルロイのいる場所を訪ねた。
彼は何かと一箇所に留まることがあまりなく、あったとしても“ 食事 ” などの取り込み中であることが多く、
――先日のJとのことを詫びようとするもなかなかタイミングが掴めないでいた。
秘め事を口にするのは恥ずかしいが、――キルロイはJが一番と選んだ人であり、キルロイもまたJを大切に思っているのをひしひしと感じていればこそ、黙っているわけにはいかないと思い詰めてのことであった。]
あの、……今、お時間よいでしょうか。
少しだけで、よいので……
きっと、貴方にとっては、いやな、話なのですが
[がちがちに緊張している。
怒られても、詰られても当然だと思いながら、目を伏せて。場所が場所なら正座している。語る声は小さく、申し訳なさそうに揺れた]
……貴方が居ない間に黙って、その……
Jさまと、からだを、かさね、ました。……そのこと、お詫び、しようと思って……*
(341) azuma 2016/06/22(Wed) 20時頃