―ある晴れた春の日―
[皆身の振り方を概ね決めて落ち着いた頃。
場所は城から比較的近い、森の手前、開けた広場、ドールに手伝って貰って運び込んだテーブルに真白いクロスを掛けて、椅子を並べ、観客席を誂える。
テーブルの上には幾つもの焼き菓子と軽食の類、飲み物は控えのドールに頼むと良い。
今日はダニーの能力審査と称してフィリップと二人模擬試合を行う話になっている。
武器は無し、制限時間も無し、見える範囲でやり合う事、降参させた方が勝ち。
ルールは概ねそんなところだ。己の役割は審判と云うか見張りと云うか、…まぁムキになってやり過ぎたら力技で止めにはいる簡単なお仕事だ。
城に残る者にも、そうでない者にも、近場に居ると知る相手には簡単な招待状を送っておいた。そもそもメインの二人が来るかどうかも判らない。来なければ、只の茶会になるだろう]
(341) yahiro 2014/02/11(Tue) 11時半頃