―近い未来―
[性経験はあまり豊富ではない。というより、目の前の相手に蹂躙された一回きりだ。ある程度の知識は年齢相応に持っているが、実際その場になるとどうしたらいいか分からない。
素肌に直接触れるラルフの服の感触にいつの間にか上衣を脱がされていた事に気付いたが、再びそれを羽織ろうなんて気はこれっぽっちも起きない。
ただ、相手に取っては児戯にも等しいだろう口づけを繰り返す。
それしか知らなかった。
けれど、落とされた言葉に流石に羞恥が勝り顔を一旦は離そうとしたが、それより早く口腔内に差し込まれた熱に捕らえらえる。]
……――ふ、……ン……ぁ…………
[応え方は知らなかったけれど、自分の舌を相手のそれにすり寄せるように動かしてみれば、どうだったろう。
素肌に感じる感触に、相手がまだ服をかっちり着込んでいる事を、ようやく熱に浮かされた頭が理解する。それを解いてやろうと手を掛けたところで]
……っ!!!
[叫びは彼の口腔内へ飲み込まれた。下肢に感じた動きに反射的に身を捩るが、強く押しのけることもせず手を掛けていた服に縋る。*]
(340) ハチドリ 2014/02/11(Tue) 11時頃