― 回想・14歳夏 ―
[グロリア・フュルステンベルクは従姉である。
というのも、俺と彼女の関係性を表すのはそれが一番しっくりくるからだ。
彼女の”お願い”はいつも突飛で突然で。こちらに断らせない。
あの日も、そんな彼女の一言から始まった]
『 ね、ルーカス。
わたし、遊園地にいきたいわ。』
[開口一発。そう言い放った彼女のお願いを断る術を、自分はまだ持っていない。
いつも通り、適当に相槌を返すと、手元の数学書に視線を落とした。
それが、にいさん、と呼んでくれる可愛い弟の誘い>>263を断る事になってしまった。
当時の自分の最優先事項は数学に次いでニコラスだったので、グロリアとの約束は断ってしまいたかったのだが。
それをすると後々が恐ろしいことになるのも知っていて]
ごめんな、どうしても断れない約束があって。
再来週は遊びにくるから。
[申し訳なさそうに、言ったのだった]
(340) 2015/11/25(Wed) 00時半頃