─現在:セシルと─
[生まれた時から犬である>>321
生まれた時からほとんどの将来が約束されたジェフからすれば程遠く聞き覚えのない言葉にぴくりと眉を寄せた。
だからこそ自分が可愛がる子が出世し、世に名を轟かせ、対等な人として扱われる。
その事が泥を塗る結果となることも>>322理解が追いつかないのだ。
きっと埋まることのない貧富の差がそうさせるのだろう。
何でもないと引き下がるセシルの姿>>324を凪いだ目でジェフは見つめる。
しかし彼が口にした結果に、分かりやすい落胆の声を隠すこともなく漏らした]
そんな生き方しか君は知らないのか。可哀想に。
[悪感情を抱いているだろう男からの憐憫の眼差しはセシルの心にどのように映ることだろうか。
変容を恐れたのか、拒んだのかは分からない。
けれど頑なまでに執着するその意志に重苦しい息を吐き出した]
(340) 2016/07/28(Thu) 23時頃