[二人分の慟哭が部屋中を満たし、それが止んだころ。>>321
キルロイはあらゆる体液を流し、倒れ込んだまま動かない。
ヘクターとの身体が軋むようなセックスの後に精神をミキサーにかけられたような慟哭を浴びて、満身創痍だった。
それでも、部屋には男が居るだろうと欲望は囁く。
精を強請れ、味わえ、貪れ、浴びてしまえ――
興奮状態が続きすぎて、頭痛が止まない。]
ッん……かめ、さぁん……
せーえき、っ……
[じゅる、と涎が垂れる。
だめだ。意識があっても甘ったれるような声が、抜けない。
通信機の声は、届いたのだろうか。それすら分からないままだが、これ以上声を出しても、精を誘う文句しか出てこないだろう。
身をよじるような欲がくすぶって仕方ないが、身体の疲労もひどい。唇を噛み、はやく意識を奪い取ってくれと念じて目を閉じた。**]
(339) 2016/06/13(Mon) 01時頃