― キッチン(>>270) ―
[ロイエがキッチンに現れて、そちらを振り返る。
ロイエは慎ましくキッチンを使って、慎ましく使った分を片づけている。
感嘆の溜息。なぜって、この村に住んで長いルパートにとって、過去のロイエとは盗みを働く悪ガキでもあった。
変われば変わるもの。なんとなく呆気にとられながら、あぁと頷き]
おれたちにまでそこまで丁寧にして貰わんでも……
いや、フーバーさんとこの人だから、立場もあるんだろうが。
[リンダの居ない時くらい、と思ったのだが、ロイエにはロイエの事情があるのだろう。]
……ん?まほうのこなあ?
[露骨に胡散臭い単語に一瞬首をかしげるも、どうやらロイエが手土産にもってきてくれたのは、上質の塩と上等な胡椒のようで……ちょびっとだけ味見をする。]
は〜〜〜なるほど……これ、高いんじゃあ……
いいなら、おれたちはそりゃ構わんが。
[去っていくロイエを後目に、ベッキー相手にやれ味見しろだのなんだのと盛り上がった。]
(333) 2018/07/24(Tue) 23時半頃