ー 食堂 ー
[ 食堂には誰がいただろう?
もし喪主である伯爵夫人の妹の見事な食べっぷりが見れたなら、感嘆の色の息を吐いたかもしれない。
キルロイという料理人の、当然ながらジンジャーエール以上に素敵な料理が並ぶ。メルヤが誇らしげになるのも頷けた。彼女の顔が浮かんで、目が細くなった。
ただ、全てを平らげるにはまだ時間がかかりそうだ。
勿論美味しいのだが・・・食欲が湧かなかった。冷製スープとサラダで満腹になってしまったのだ。
胃の余裕を作ろうとフォークを置いている間に思案する。]
・・・・・・。
[ 未完成だからこそ、X城の思い出は評価されているのかもしれない。
“僕”も完成させたいとは言っていないし、オーレリアも何かしようとは思っていない。
ただ、一目見られればーーーー。
誰かの手にあの絵画は渡るのだろうか?その時どうなるかもわからない。名探偵の彼女の言う通り、事件が起こるのだとしたら・・・食欲はまだ湧きそうにない。]*
(333) 2016/07/28(Thu) 22時半頃