[人形遊びに付き合わされた彼の林檎が、咀嚼されるのをぼんやり見送って、己の人形に歯を立て感謝とさよならを。立ち上がる彼を見上げて、彼の申し出に、じゃあお願いしようかな、と残りの林檎を口に放り込んだ、フォークを添えてトレイごと手渡す。適当にドールに渡してくれると良い、そう先に伝えれば良かったと、遅れて気付き口に含んだ林檎を慌てて咀嚼しようとしたが、まぁ判るかな、と彼に任せて手を振り別れ、去ってゆく背を見送りながらのんびりと林檎を味わう]折角仲良くしてくれそうなのに、残念だな…[ぽつり、中庭に零した呟きを拾う誰かはもういない*]
(331) 2014/02/02(Sun) 00時頃